セブンイレブンの店内で、そしてテレビCMで、何度となく耳にしてきたあのメロディ-…
皆さんはどれくらい「あの曲」のことを知っているだろうか?
「曲名は? 誰が歌ってるの? いつの歌?」
意外に知らない人も多いのではないだろうか
そんな「身近なようで遠いあの曲」の歴史をひも解いてみよう!
“ずっと夢を見て 安心してた 僕はデイ・ドリーム・ビリーバー そんで彼女はクイーン”
このサビに出てくる「デイ・ドリーム・ビリーバー」が曲名だ
歌っているのは日本ロック界の伝説、RCサクセションの忌野清志郎だ
2009年に残念ながらこの世を去ってしまった清志郎だが、この「デイ・ドリーム・ビリーバー」は別名義「ZERRY」で結成したバンド「タイマーズ」の1989年のシングルである
楽曲自体は非常に柔らかい印象の曲だが、タイマーズの風貌は正反対! 土木用のヘルメットをかぶり、手ぬぐいを顔に巻き付けるという「活動家風の服装」で演奏していることで知られている。
この曲は2011年にセブンイレブンに採用される前から「超有名な曲」であった
セブンイレブン以外にもすでに大企業のCMソングとして採用されている
楽曲をリリースした1989年にエースコックの「スーパーカップ」で、そしてその17年後の2006年にサントリーの「モルツ」のCMに採用されており、タイマーズの楽曲としてロックファンには有名であったが、CMを通して「誰もが耳にする曲」になっていたのだ。
そもそもこの曲は伝説的洋楽ミュージシャンのカバー曲である。原曲は60年代にザ・ビートルズに対抗するべく、エンターテインメント大国アメリカが作り出したアイドルグループ、ザ・モンキーズが1967年にリリースした「デイドリーム」だ
この原曲のメロディにZERRY(忌野清志郎)が日本語詞をのせたものが「デイ・ドリーム・ビリーバー」なのだが、その歌詞には深い物語がある。
“もう今は 彼女はどこにもいない 朝早く目覚ましがなっても”
この歌詞の中で繰り返される“彼女”というフレーズから、一見「別れた恋人」へ向けた歌詞にも思える
しかしこれは会うことのできなかった「実の母」への思いを綴った歌詞なのだ
清志郎が母だと思っていた女性と死別した際、それが本当は母の姉つまり継母であり、実母は清志郎が3歳のときに亡くなっていたことを知らされる
ふたりの「母」の死と向き合いながら、一度も会うことのできなかった実母への行き場のない思いを込めたのがこの「デイ・ドリーム・ビリーバー」なのだ
セブンイレブンの「あの曲」について、あなたはどれだけ知っていただろうか。これからは街のコンビニでふと耳にする「あの曲」も、少し違って聴こえるかもしれない
自分は泣けてきます