この細かい数字は覚える必要はありません。ただ人間はこの位のスピードで忘れていくものだと言う事だけをここでは覚えてもらえば十分です。
人間は基本的に忘れがちな生き物なのです。
人によっては、記憶力の良い人間を『覚えが良い』とか忘れっぽい人間を『覚えが悪い』と言いますが、その個人差は微々たるものだと思っていただいて結構です。
今回は記憶のメカニズムとどうすれば記憶力が上がるのかをご説明していきたいと思います。
まず人間は忘れる生き物だと言う事を知りましょう!
人間はかなりのスピードで覚えた事を忘れていくんです。でも忘れた事を認識し、すぐ覚え直す事が大事なんです。
覚える→忘れる→覚えなおす→またちょっと忘れる→再び覚えなおす
勉強だけではなくスポーツにも言えることですが、記憶力を高めるためには反復練習が効果的です。この繰り返しをできる人が覚えの良い人と言われるのです。
記憶することに重要なことは覚える→忘れる→覚え直すです。
忘れてから覚え直すまでの時間を意識することで単語や公式の暗記力が格段に向上します。
では、もう一度記事の最初にあったエビングハウスの忘却曲線を見てましょう。
1時間後の忘却率は56%です。なんと勉強したことを1時間後には半分くらい忘れているんですね。
1日後の忘却率は74%です。よく復習が大事だと言われていますが、データを見るとよく復習の大事さが分かりますね。
是非とも忘却率56%の内にもう一度覚え直してください。
この一時間以内に覚え直す(見直す)事こそが「記憶する」事のワンセットなのです。「覚えて1時間後に覚え直す」作業をする事でエビングハウスの忘却曲線はかなり緩やかなカーブを描く事になるのです。
それでもこの忘却カーブは緩やかになるだけで、また忘れる事はしょうがない事なんです。それでもまた覚え直す。この繰り返しで忘却カーブは限りなく直線に近づいていくんです。
すなわち短期的記憶から長期的記憶に変わるんです。
ここでチョットブレイクしましょう!
記憶する脳の仕組みについて簡単に説明します。
脳には海馬と呼ばれる領域があり、脳に入ってきた情報は一旦この海馬に行きます。記憶がこの海馬にある状態が短期的記憶です。
そして海馬は、頭に入って来た情報に対して前頭葉に相談するんです。この情報は知っている情報かそうでないかを…
相談を受けた前頭葉は長く大容量の情報をストックできる側頭葉に、この情報は既に側頭葉にあるものかどうかを調べに行きます。側頭葉にストックしていない情報はここで前頭葉の指示で海馬から側頭葉に移されます。
これが短期的記憶から長期的記憶に変わっていく仕組みです。
では、記憶するのに適した時間はないのでしょうか?
あります!
睡眠前に暗記したり1日の復習をする事をお勧めします。
脳の物事を記憶するのに睡眠は必要不可欠です。睡眠中にあなたが脳に取り込んだ情報は側頭葉に整理されていくんです。
そして次の日起きたら、昨晩寝る前に記憶した事を簡単で良いですから思い出してください。思い出せる記憶はやや長期的記憶に移行してきた記憶です。
忘れてしまった記憶はあなたにとって記憶しにくいものとしてチェックし、また記憶し直しましょう。
では、なぜ覚えやすいものと覚えにくいものがあるのでしょうか?
それは記憶しようとしている事が、あなたの脳に刺激を与えた強さによって違いがでて来るためです。簡単に言えば、興味深い事、頭で理解できた事、もしくは理解するのに困難だった事等々は脳に強い刺激を与えます。
逆に何の引っかかりもなく記憶した事は脳に刺激を与えません。
ですからどんな簡単な事でもなぜこうなるのか、なぜこうなったのかを考えながら記憶していく癖をつけると、脳に強い刺激を与えられるので、忘れにくい記憶となります。物事には好奇心を持って取り組むことが、記憶するために重要なんですね。
最後に君たち自身が気付いていない事を言っておきます。