厳しい寒さが続きますが、2月も半ばになると、境内の梅が開花します。梅の花は厳しい寒さの後の春の訪れを感じさせてくれます
この梅に因んだ言葉に「雪に耐えて梅花麗し」があります
これは、地元野球チーム、広島カープで活躍した黒田博樹投手が座右の銘とした、西郷隆盛の言葉です
西郷隆盛は、江戸幕末、薩摩藩の下級武士で、藩主島津斉彬公の目にとまり登用されますが、斉彬公の急死で失脚し、奄美大島に流されます
その後、復職し、薩長同盟の成立や江戸無血開城など大きな成果をあげ、明治政府では重要な役職に任命されました
そんな西郷隆盛がイギリス留学する甥へ書いた手紙の中の言葉が「雪に耐えて梅花麗し」です
厳しい雪の寒さに耐えてこそ、梅の花は美しく咲く
人間も、多くの困難を経験してこそ、大きなことを成し遂げられる
これは甥の成長を願う激励といえましょう
黒田投手は高校の授業でこの言葉を知り、感銘を受けてそれ以来、座右の銘としました
実は黒田投手は高校の3年間、控え投手だったために公式戦で一球も投げられずにいました
しかし大学進学後、トレーニングの成果が出始め、卒業後はカープに入団しエースとして活躍します
その後、アメリカのメジャーリーグでも活躍し、再びカープに復帰すると、現役最後の2016年、日米通算200勝を達成
カープ25年ぶりのリーグ優勝に貢献し有終の美を飾りました
偉人の言葉には、時代を越えて、多くの人を励ます力があります
人生で壁にぶち当たっても、目をそらさず精一杯やっていくと、得るものが必ずあります
そのすべてが私たちの肥やしとなり、いつか花を咲かせる時がくるでしょう
皆さまの周りにも素晴らしい花を咲かせている方がいらっしゃるのではないですか
私たち自身も美しい花を咲かせたいものですね
実は3月初旬のキャンプ…ミーティングで、各選手が好きな言葉を日替わりで披露した
黒田が選んだのは西郷隆盛が詠んだ漢詩の一節「耐雪梅花麗」(雪に耐えて梅花麗し)
梅の花は、寒い冬を耐え忍ぶことで、春になれば一番麗しく咲く、という意味で「苦しまずして栄光なしの考え方、それを最初に知ったのは高校のときかな」と説明する
言葉や文化は違っても、梅の花の例えは大ヒットだった。主将ジーターも「彼の詩は、われわれに直接あてはめられるもの。良い時も悪い時も、常に変わらず汗を流し続けることが大切だし、頑張れば必ずその報いがある」と心を打たれた
ジョー・ジラルディ監督は梅の花の写真を探し、自身のパソコンの壁紙にするなど、今やヤンキースのチーム精神を支える言葉になっている。指揮官は「今季チームの投手陣でベストの投球だ」と絶賛した
君達も是非 風雪に耐え 寒暑に耐え自分自身の花を咲かせて下さい